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人吉球磨郷土かるた紹介シリーズ⑩ 人吉城址

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人吉藩相良氏の城下町として栄えた人吉市。 その中心に静かにたたずむのが、人吉城址です。 人吉盆地に位置し、険しい山々に囲まれた人吉城址。 北側は球磨川、西側は胸川、東、南側は断崖という難攻不落の自然の要塞です。 明治4(1871)年の廃藩置県の後、城内の建物は立木とともに払い下げられ、石垣のみが残りました。 現在は、人吉城跡公園として地元住民の憩いの場となっており、春は桜、秋は紅葉と、季節ごとに違った表情を見せてくれるのも魅力です。 そして、この人吉城跡を訪れるなら、ぜひ立ち寄っていただきたいのが、城内にある「人吉城歴史館」。 2025年7月にリニューアルオープンしたばかりのこの施設では、人吉城の歴史や相良氏の治世について、映像や展示を通してわかりやすく学ぶことができます。 特に注目なのは、人吉城の全域を表した立体模型や、人吉城の見どころをまとめた大画面のパノラマ映像です。 また、発掘調査によって見つかった謎の地下室や出土品の数々も見もの。 人吉城の魅力を伝える盛りだくさんの展示に、思わず引き込まれること間違いなしです。 歴史好きの方はもちろん、家族連れの学び旅や、散策ついでの立ち寄りスポットとしてもおすすめ。 人吉のまち歩きが、ぐっと奥深い体験になりますよ。 ※現在人吉城跡公園の一部エリアは石垣修理工事のため立入規制があります。訪れる際は案内板などをご確認ください。 【人吉城歴史館】 開館時間 9:00~17:00(入館は16:30) 観覧料 個人330円/高校生以下無料 休館日 毎週火曜日(祝日にあたるときは、その翌日)、年末年始(12月29日から翌年1月3日まで)

人吉球磨郷土かるた紹介シリーズ⑨ 五木の子守唄

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熊本県の山あい、球磨地域の北部に位置する五木村。 この村には、長い間、歌い継がれてきた子守唄があります。 それが、全国的に知られる「五木の子守唄」です。 この唄は、かつて“口減らし”として子守奉公に出された少女たちが、自らの境遇を嘆きながら口ずさんだといわれています。 厳しい暮らしのなかで生まれ、娘たちのあいだで自然と伝わってきた唄。 その歌詞や旋律にはいくつものバリエーションがあり、どれが「元歌」であるかは今も定かではありません。 昭和26年、ラジオから流れたアレンジ版が話題となったことで、「五木の子守唄」は全国に知られるようになりました。 そんな五木の子守唄のふるさと・五木村では、自然と歴史のどちらも楽しめるスポットがたくさんあります。 たとえば、村の歴史や文化を深く知りたい方には、「五木村歴史文化交流館 ヒストリアテラス五木谷」がおすすめ。 かつての暮らしや文化を、資料や展示映像でわかりやすく紹介しています。 また、「子守唄公園」では、子守をする娘の彫刻や歌碑が静かにたたずみます。 歌碑のそばに立つと「五木の子守唄」が流れてきて、その旋律に耳を傾けていると、どこか遠い昔へと心が旅していくような感覚に。 さらに、公園内の「茅葺民家」では、昔の五木村の様子や五木の子守唄に関する映像が上映されており、より深く唄の世界に触れることができます。 五木の山々に抱かれながら、語り継がれた歌声に耳をすませてみてください。 きっと、旅の記憶にやさしく残る時間になるはずです。 【茅葺民家】 営業時間 9:00~17:00 休業日 年末年始 スタッフ不在の場合があります。詳しく知りたい場合は0966-37-2611(五木村観光情報センター)へお問い合わせください。

人吉球磨郷土かるた紹介シリーズ⑧ 肥薩線

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肥薩線は熊本県八代市の八代駅から鹿児島県霧島市の隼人駅までを結ぶ、全長124.2キロメートルのローカル線です。 明治後半、日本が近代化へと突き進む時代に着工し、昭和初期には肥後(熊本)と薩摩(鹿児島)をつなぐ路線として「肥薩線」と呼ばれるようになりました。 沿線には、今なお100年前と変わらぬ趣の駅舎が点在し、車窓からは日本三急流のひとつ、球磨川に沿って美しい渓谷美が広がります。 特に人吉駅から吉松駅の間には、当時の最先端技術で建設された産業遺産──矢岳第一トンネル、ループ線、スイッチバック──など、鉄道遺産としても貴重な見どころが点在しています。 さらに、車窓から広がるのは日本三大車窓のひとつとされる絶景。えびの高原や霧島連山の壮大な風景が旅人を迎えてくれます。 しかし、令和2年7月の豪雨災害により、八代駅〜吉松駅間は現在も運休中。 完全な復旧は未定ですが、沿線の町々では再び列車が走る日を願い、復旧への想いがつながれています。 100年の歴史とロマンが詰まった肥薩線。 再び全線で列車が走り出すその日まで、私たちも見守っていきたいですね。

人吉球磨郷土かるた紹介シリーズ⑦ 丸目蔵人佐

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剣術の流派「新陰流」の四天王のひとりに数えられ、独自の流派「タイ捨流」を編み出した丸目蔵人佐。 その晩年の地が、ここ錦町です。 丸目は、熊本県八代に生まれ、若き日に京都で剣の祖・上泉伊勢守に師事し、将軍・足利義輝の御前で演武を披露。 名を上げた丸目は、やがて剣術界に革新をもたらす「タイ捨流」を確立しました。 晩年は錦町に移り住み、農業の指導に力を注ぎました。 そんな丸目の功績をたたえ、錦町では毎年、剣道大会やタイ捨流の演武会が開かれ、全国から剣士たちが集います。 地域との交流を深めながら、剣の精神は脈々と息づいています。 まちのシンボル「錦くらんど公園」に立つ銅像も、その静かな眼差しで訪れる人を迎えてくれているようです。 剣を極め、志を貫き、まちとともに歩んだ丸目蔵人佐の足跡をたどってみれば、今を生きる私たちに通じる“強さ”と“優しさ”を感じることができるかもしれませんね。

人吉球磨郷土かるた紹介シリーズ⑥ えびすさん

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日本で信仰されている「七福神」のうち、唯一日本生まれの神様が“えびすさん”。 右手に釣り竿、左手に鯛を抱えた姿が印象的で、漁業の神様として知られていますが、実は商売繁盛の神様としても多くの人に親しまれています。 そんな“えびすさん”が、熊本県の多良木町ではあちこちで出迎えてくれるのをご存じでしょうか? その数、なんと31体! 町の中心にある物産館は「えびす物産館」、地域の人が日常的に利用する温泉施設は「えびすの湯」、そして広場も「えびす広場」。 まさに“えびす”尽くしの町なんです。 毎年10月20日・21日には、町内の恵比寿神社で「ゑびす祭り」も開催され、多くの参拝客でにぎわいます。 神輿が町を練り歩き、にぎやかな屋台が並ぶ様子は、まるで“福”が町中に舞い降りてきたような雰囲気です。 では、なぜこんなにも多良木町でえびすさんが大切にされているのでしょうか? 実は明治から昭和にかけて、多良木町は人吉市に次ぐ商業の拠点として発展してきました。 国道219線沿いに商家や旅館、銀行が立ち並び、多くの人が行き交う活気ある町だったのです。 明治36年には、現在の場所に恵比須神社が建立され、地元の人々によって丁寧に守られてきました。 以来、商売繁盛や五穀豊穣の神として信仰され、町の経済とともに歩んできたのです。 平成に入ってからも、町の商工業のさらなる繁栄を願い、新たなえびす像の建立が続いていました。 よく見れば、それぞれのえびすさんは、表情やポーズ、色合いが微妙に違い、個性豊か。 町を歩きながら“えびすさん”巡りをするのも、楽しみ方の一つですね。

人吉球磨郷土かるた紹介シリーズ⑤ 白龍妃橋・白龍王橋

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熊本県と宮崎県の県境近く、水上村(みずかみむら)にある知る人ぞ知る絶景スポット、白水(しらみず)滝。 ここには、「夫婦滝」と呼ばれる雌滝と雄滝、そしてその2つをつなぐ2本の吊り橋があります。 県内最長の吊り橋にドキドキ! 雌滝にかかるのは白龍妃(はくりゅうひ)橋。長さは120メートル。 雄滝には白龍王(はくりゅうおう)橋が架かり、その長さはなんと164メートル! どちらも熊本県内最長クラスの吊り橋です。 特に白龍妃橋は滝壺からの高さが約150メートルもあり、足元はアクリル板になっていて真下が透けて見える仕掛け。 覗き込むと思わず足がすくむかもしれませんが、目の前に広がる360度の絶景に、きっと息をのむはずです。 秋には山々が色づき、紅葉の見ごろは10月下旬~11月中旬ごろ。 白水滝と紅葉のコントラストは、一年の中でも一番美しい時季だといわれています。 春から夏にかけては、みずみずしい新緑が広がり、さわやかな風と緑の香りに包まれる森林浴スポットとしてもおすすめ。 スリルと癒し、そして雄大な自然美が一度に味わえる水上村の白水滝。 吊り橋の上から見る滝の姿は、写真では伝えきれない感動があります。 皆様にぜひ一度訪れてほしいおすすめスポットです。

人吉球磨郷土かるた紹介シリーズ④ 球泉洞

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球磨村にある「球泉洞」は、九州本土最大級の鍾乳洞として知られる人気スポット。 昭和48年に発見されて以来、多くの人を魅了してきました。 その全長はなんと約5,000メートル。 約3億年前は海の中だった石灰岩層が、長い年月をかけて少しずつ侵食され、今の幻想的な姿に。 洞内は年間を通して約16℃と一定の気温。 夏はひんやり涼しく、冬はほんのり暖かい、まさに自然のクーラー&ヒーターです。 鍾乳洞の冒険を終えたら、敷地内の施設にもぜひ立ち寄ってみてください。 地元の特産品がそろうセレクトショップや、地元食材を味わえる飲食店、そして、球磨村の大自然を一望できるテラスや、ペット連れにうれしいドッグランも完備されています。 地下と地上、どちらも満喫できる球泉洞。 自然の神秘と、人の温かさにふれられる、特別な時間を過ごしてみませんか?  【球泉洞】 見学時間 一般コース:9:00~17:00(16:30チケット販売終了) 探検コース:スタート10:00より1時間おき(16:00最終) 料金 一般コース 大人(高校生以上)1,100円/中学生800円/小学生600円/幼児(3歳以上)450円 探検コース 一般コース料金に800円加算 (ガイド料・長靴・ヘルメット貸出料金含)